2018年08月10日

長野K邸キッチンモザイク目地埋め

1週間の作業中断のあと、娘も夫も風邪が回復して、作業を再開することができました。
なんとか予定通りにモザイク貼りが完了して、下処理や掃除をして、ようやく目地埋めをしました。

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全体を目地セメントで覆い、ゴムベラや手で目地に押し込みます。
普段の作品では白い目地セメントを使うことが多いですが、今回はキッチンという汚れ易い場所なので、最初から濃灰色と決めていました。白い目地はタイルの色が綺麗に見えますし、濃い色の目地はタイルの形が綺麗に見えます。

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ウェスなどで余計な目地セメントを綺麗に拭き取って完了です!

先日、目地埋めの様子が印象的だったのか、たまたま私が目地埋めしている場面を見た友人に、どうしてモザイクができるようになったの?大学で教えてくれたの?と聞かれました。
そこで、なんだか過去のことを色々思い出しました。
大学院では、道具と石と普通のセメントしかなくて、一番最初に先輩に先輩のやり方の目地なしの直接法のモザイク模写を教わっただけでした。木パネルへの簡易的なやり方でした。その後はインターネットで外国のモザイクの本を買ったものの、専門用語は辞書にはなく、ほとんど写真を頼りに自分で勉強したんだっけ、と思いだしました。屋外にも置ける立体作品を作りたいと思っていた私にとって、頑丈で雨雪にも耐えられるモザイクのベース作りが大事な課題でした。モザイクの本には素焼きの立体にモザイクをしている写真がありました。粘土で作った形を石膏どりして、その反転した石膏にセメントを流しこんでいると思われるやりかたも載っていましたが、石膏どりの面倒さを知っていたので、陶芸の方でやってみることにしました。その為、ベース作りの為に自由にやらせてくれる陶芸教室を探して数ヶ月通ったこともありました。その後大学院の陶芸科の先生に頼んで、陶芸科の生徒に混じってガス釜を使わせてもらっていました。取手の真っ暗な大学の森で、夜なべしてガス釜の管理をしたのはいい思い出です。色々試行錯誤した結果、陶芸のベースでは大きさの限界や、私の力量で作れる形の限界もあり、残念ながら私の選択肢から外しました。陶芸と同時に、大学院の石材工房にも足繁く通っては石彫もして、丸ノコの歯が人の身長くらいあるような、超大型の石切断の機械やグラインダーを使ったりしながら、石と、立体のことを体感的に学びました。夏休み間、ずっと石を磨いていたら腰を痛めて、ある日くしゃみをしたら立てなくなってしまったこともあったくらい夢中でやっていました。また展示台を作る目的で、鉄の工房にも出入りして、鉄の溶接や加工もできるようになりました。その経験が、後に大型の立体の基礎の設計図を考える指針になりました。色々な作業をするのに、木材の部品が必要になることが多く、木材工房にも通いましたし、ついでに展示台の仕上げをするのに、塗装の工房にも通い、そこで後に私が使うことになったFRPという素材を間近で見る機会に恵まれました。各工房の先生方には大変お世話になりました。修了制作の噴水作りの時には、岐阜の石職人の匠に鉄組みの基礎ににセメントで作る構造の多大なアドバイスをいただいた上に、噴水関係のプロの方を紹介していただいたりして、イメージの噴水に必要な金具を調達することができました。
最初は独学のような感じで始まったモザイクの勉強でしたが、モザイク噴水を作れるようになるぞ!という目標を持って過ごした2年間の大学院生活は、沢山の方々の支援でとても濃密な時間になりました。最終的には、鉄のベースにセメントで彫刻を作ってモザイクする、という作業が一通りできるようになりました。
大学院を出た後も、イタリアでモザイクの修業してきたミチヨと友達になり、私の作品を手伝ってもらうことでスぺリンベルゴ流の、ローマ、ベネチア風とはまた違う石の並びかた等、色々教わりました。それから、モザイク会議という日本のモザイクのプロ、アマの方々が集まる団体の公募展に一度出品したのをキッカケに、モザイク会議の大先輩達が私のことも気にかけてくださるようになりました。大変有り難いことで、建築関係のこと、設置施工の技術的に分からないことは、大ベテランのアトリエハシムラの橋村さんに聞いて解決しています。
また、FRPを頼んでいる会社の社長(井浦さん)は、発泡スチロール加工のイロハを教えてくれました。
モザイクには関係ないですが、大学生時代に独学で、一生懸命に作ったものの全くデタラメなチラシ印刷データを印刷会社に持って行ったら、「あのね」と印刷会社の事務所のパソコンに座らされて、基本を教えてもらったこともありました。
色々振り返ってみると、所属に関係なく、惜しみなく教えてくれる方々に恵まれて沢山勉強できたなあと思います。今年でもう35歳になりましたが、とても充実した20代、30代前半過ごせたと思います。

posted by marie at 00:00| Comment(0) | モザイクやガラス
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