2017年05月17日

橋猫オブジェと手毬模様壁画

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制作中の橋猫オブジェは、名前の通り橋の体を持った猫です。この題材はもともと私の好きなものでもあるのですが、今回設置する旅館の場所からイメージを膨らませてこの形にしました。
旅館は美しい渓谷を見下ろす場所にあり、作品を設置する中庭も渓谷沿いです。この渓谷には有名なトラスの橋もあり、渓谷にかかる赤いトラス橋の風景が大好きな私はすぐ橋の形のオブジェにしたいと思いました。
そして、3方向を旅館に囲まれたひっそりとした中庭には、ふらりと動物がやってきそうな雰囲気がありました。その頃によくわたしの家の小さな庭に野良猫がやってきてはメダカの鉢の水を飲んだり、縁側で勝手に寛いだりしていたので、そう思ったのかもしれません。ノソノソと庭を横断しているところをこちらに気付いて振り向いたような猫と、橋のイメージが合体して不思議な生き物になりました。
形を絵にしてみると、こんな生き物が、ダイダラボッチのように、夜中に渓谷を跨いでいたらすごいなーと想像を膨らませてみたりして。
そういったイメージで脚の長い猫になっています。

又、旅館の外壁にも壁画を設置する予定です。
こちらは、外の道路から見える場所です。温泉街の雰囲気を考慮しつつ私らしい作品にしたかったので、オブジェよりも苦戦しました。
加賀手毬という存在を知り、日本古来の模様や、手毬らしい花模様を、鮮やかな色彩で崩す
ことにしました。
こちらはエスキースです↓
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かなり大きな作品になるので、完成が本当に楽しみです!壁面の原画の完成データは納品済みです。壁画も秋に設置予定です。
posted by marie at 10:49| Comment(0) | 絵のこと

2017年05月16日

橋猫オブジェ始動!

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5月に入り、遂にオブジェ制作が始まりました!秋に石川県の旅館の中庭に設置する作品です。
これは昨年、妊娠7ヶ月の頃にいただいたお話で、待ち望んだ大きなオブジェの仕事ながら、これは育児と両輪でできるかしら、大変なことになるぞ〜とドキドキしていました。
実際、産後1ヶ月半の頃、現地にご挨拶と取材に飛行機で行った時は、まだ体調も悪く、初めて小さい娘と一日中離れるのが不安で、もてなしていただいたのにあまり私はいい状態ではありませんでした。
しかし、毎日構想を膨らませて、準備をして、アトリエを探して、外注でお手伝いいただく方々と打ち合わせして、いよいよ作り出してみたら、それはそれは楽しいではないですか!!

写真は、FRPにする原型を制作している過程で、大きな発泡スチロールから大枠の形をニクロム線の熱で切り出したところです。この為にまずベニア板の型を作ったのがなかなか大変でした。
発泡スチロールを切り出す作業は二人がかりでないと私はできないので、夫の有休休暇を利用して手伝ってもらいました。最初は私がやり方を教えていたのですが、職人&リーダー気質の夫が結局あれこれ指示して作業してやっていて、私のいい加減さと夫の几帳面さがよく分かる共同作業で面白かったです。夫が「ここはどうやって調整する?」私「頑張って調整するの」「はあ?」ということもありましたが、実際集中して頑張ってやれば調整できるので問題なかったりします。しかしながら、テキパキと段取りよく進めてくれる夫のおかげで、切り出しはスムーズに終えることができました。
そしてここから私のイメージ通りの形にけずり出していきます!
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posted by marie at 10:01| Comment(0) | 絵のこと

2017年02月14日

子ども部屋に

絵を購入してくれた友人から、ダイニングと子ども部屋に絵を飾ってくれた写真をいただきました!

ダイニングの絵は船のレストランの絵です。

古代魚の絵は子ども部屋の主役だそうです。

髭で演奏する猫の絵は、私の絵本、”もりのしょうたいじょう”が大好きだという息子くんの目線の高さに合わせて、飾ってくれました。この他にも、猫の絵をガッシリと掴んでまじまじと見ている息子くんの写真もいただいて、とても嬉しかったです。

いやあ、とっても部屋にしっくりきていて嬉しいですね〜(^^)

彼女は「子ども部屋に小林真理江を布教する!」と言っていましたので、そんな未来を楽しみに頑張ります。



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posted by marie at 09:56| Comment(0) | 絵のこと

2016年03月24日

最後の一枚

NY展用の作品の最後の一枚が完成しました。
こんなことは初めてだったのですが、内覧会には間に合わせることができず、笠木さんには申し訳ない気持ちでいっぱいです。
是非本番で、NYで売れてくれることを願うばかりです。

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「廻りあい」
キャンバス・油彩 F20号サイズ

ひとまず一番迫っていた仕事が終わったので、ずーっとお待たせし続けている特注の作品群に取り掛かろうと思います。しばらく油彩は片付けて、また、ガッシュの体制を整えないと!
posted by marie at 13:09| Comment(0) | 絵のこと

2016年03月12日

嬉しい出来事

人生で初めて80号サイズの大きな作品が売れて、額装してもらいました!嬉しい!しかもスっっごく綺麗に額装してくれていて尚嬉しい!

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こちらは今リフォーム中の横浜の病院に納品します。大胆な赤を選んでくださった院長先生、紹介してくださったM先生、額装してくださった数寄和さんありがとうございました!

posted by marie at 20:16| Comment(0) | 絵のこと

2016年02月05日

油彩復活第1号

しばらく体調を崩して、寝てばかりいたのと、乾き時間の感覚が思い出せず亀の歩みで進めた油彩でしたが、ようやく完成して、ニューヨーク展のチラシ写真の締め切りに間に合いました。

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「楽しい夕べ」F8号 キャンバス 油彩
楽しい夜の観覧車(夜景)という私の馴染みのモチーフですが、艶の感じでガッシュとは違った色の奥行きのある仕上がりになりました。ガッシュのマットで潔くて力強い仕上がりも、しっとりとした油彩の仕上がりも両方いいところがありますね。作品によって、特性を生かして画材を選んでいけるなーと思うと、楽しみの反面また悩みが多くなりそうでちょっと怖いような。。
ニューヨーク展は海外輸送コストや額コストの都合などもあり、なるべくキャンバス形状を出品して欲しいという画廊の要請もありますし、これはいい機会なので続けて油彩をしばらく取り組んで感覚をつかみたいと思います。




posted by marie at 11:21| Comment(0) | 絵のこと

2016年01月15日

油絵との歩み寄り。第一歩目。

私は油絵で大学を卒業して、芸大の大学院も油絵で合格した経歴なのに、油絵には散々苦しんで2010年頃から油絵を描くのをやめていました。
しかし、自分の絵の世界感を深める為にマチエールの幅を広げたいと感じて、今年、ようやく油絵を解禁することにしました。

「オドレス ターペンタイン」は臭くない!
「スペシャル ルソルバン」は薄塗りでも発色がいいーーーーー!!
なんてことだ!たった数百円余計に出せば、私の全く知らないすごい油絵のオイルがあるんじゃないか。すぐ隣に。
恥をしのんで今の正直な感動を書いておきます。
学生時代は沢山沢山描きたかったので、
「如何に安い画材を大量に手に入れるか。カサを増やすか。」ということばかり考えていました。
ちょっと高いお金を出して、機能性の高いオイルを買うという発想はハナからありませんでした。
最初から勉強し直しですよこれは。

嫌いだった、キャンバスの「縁」も、タックスが見えないように木枠をキャンバスで包み込んで
裏で止める「フローティングキャンバス」のやり方で貼ってみたら、なんと、
これはスッキリして慣れ親しんだ水張りと見た目がとっても似ているではないですか!

過去の私は安くて臭いターペンタイン(テレピン)で描き出して、リンシードかポピーオイルの乾性油を自分で調合しながら描き進めるタイプでした。しかし、描き出しは臭いし(私はニオイにちょっと敏感です)、テレピンはさらさらしているけれど画面にしっかり色がつかないし、薄塗りの描きだしでリンシードやポピーオイルはちょっと入れすぎるといきなりドロドロするし、そうやって調合を間違え続けると思うように上の絵の具が乗らなくなって、乾くのも遅いし最悪でした。しかし、「調合油」というとっても便利なものがあるじゃないですか!!私は「調合油」というのは、オイルの種類が分からない初心者の人が使う為に画材屋さんが調合してくれたものだと勘違いしていました。違いますよね。幅広く使える状態に「最適な調合」をしてくれた油だったんですね。しかも、ダンマル樹脂まで調合されていて、速乾性まであるじゃないですか!
苦手だった描き出しも、臭くない揮発油と、さらっと最適化されたスペシャルルソルバン(調合油)のおかげで、ガッシュの時の下地のようにするすると気持ちよくスタートできました。
このまま順調に行きますように!
posted by marie at 23:18| Comment(0) | 絵のこと

2015年11月18日

マチエールへの心変わり

ようやく展覧会に出品する最後の絵を額縁屋さんに届け、遅くなっていた案内状120枚を発送して、配布用作品資料を印刷屋さんに入稿して、展覧会前の一山を超えることができました。
最近の書き残しておきたいことがたくさんあるのですが、まず、作品に影響があった二つの展覧会について。

まず横浜市民ギャラリーでの「田中千智展」

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(10月17日FB記事から)アートフェアで小さい作品を拝見してからすごく気になっていた田中千智さんの個展に行けて、大層感動致しました。
世界中の人が共鳴する作品だと思います。
心が共鳴した理由はまだ分析できませんが、田中さんの技術的な素晴らしさは何時間でも語れそう。学芸員の友人の紹介でご挨拶した3歳年上の田中さんは笑顔の可愛らしいほんわりした方でした。記念撮影お願いすれば良かった!!というか今履歴をみたら大学で一つ先輩だった!今は福岡在住かぁ。あーもっと早く知り合いになりたかった。。
ファンとしては感動しつつ、絵描きとしてはガツーンときた展覧会でした!
本当に覚悟決めて頑張ろう!

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絵に描かれた内容に心を動かされたのはもちろんですが、作品には油絵を描いたことがある人なら勉強したことがあるであろう基本の技法、マチエール、グレーズ、ドライブラシ等々、に加え荒業、或いは邪道ともいえる油彩とアクリルガッシュの混合技法(当然混色ではなく画面を分割して使っています)、その、あの手この手の技法を最大に駆使して、自分の感性を信じて迷いなく挑むその姿勢に感動しました。私は、画材屋さんや画材に詳しい方々に「アクリルガッシュは固着力が弱いから駄目な画材」「ガッシュは剥がれるからキャンバスは駄目」「油彩とアクリルは同じ支持体には無理」と言われ、そこで萎縮していました。しかし、こういう問題って100年とか先の話じゃない?本当にすばらしい作品になったら、100年先にひび割れがてきても、大事に直してもらえるんじゃない?とりあえず今自分が作れる最善の絵を思い切り描いたほうがいいんじゃない??という気持ちになりました。むしろ、「こうしたい」為にどうするか考えるべきだったのに、「あーこれって駄目なんだー」と対策を考えることを怠っていたな、とはっとしました。

もうひとつの展覧会は国立新美術館の「ニキ・ド・サンファル展」です。
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(10月31日FB記事より)ニキ・ド・サンファルの大規模な回顧展が国立新美術館で開催中。若い頃の精神の患いやコンプレックスを生々しく作品にしちゃうニキが一度嫌になって、それが驚愕のクリエイティビティに昇華されていく闘いを観てまた感動する、すごい体験でした。色彩感覚とか造形感覚とか技術だけじゃなく、言葉も思想も体験も、自分の持っているもの全てを作品に惜しみ無く注ぎ込むんだよ、と教えられました。写真がオッケーなのはこの3作品だけだったのですが、巨大な立体が並ぶ部屋が壮観です!

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ニキのタロット・ガーデンの写真集を大学院の頃から大事に読んでいて、写真ではとても親しんでいましたが、初めて大規模な回顧展で実作品を見て、印象が変わり、想いも深くなりました。
自分の中から「ひ・き・づ・り・だす」そして芸術にするために格闘して格闘して最後には造形的にすばらしい形に昇華するんだ、、と。それはやろうと思ってすぐできるワザではないでしょう。私は「ひきづりだしただけ」の作品を作る人達をたくさん知っているし、そういう作品はあまり見たくないです。しかしながら、ひきづり出さないと闘うこともできないのかな、という気がしました。
そして、ニキからも「これは○○だから駄目」みたいなことに囚われず、イメージを具現化するためにとった技法や手段の自由さをがつーんと感じました。

そんな2つの展覧会を観たことで、10月6日に書いた記事で、「私の絵はマチエールには頼ってはいけない」とはっきり断言しているのですが、私の考えは180度変わってしまいました。
私ったらなんて小さいのかしら!!覚悟が足りないのね。と思ったからです。
「○○してはいけない」という思い込みで自分を縛ることは可能性を狭めるのでやめよう、という大げさに言えば「第二の自分の声」の解放を2013年頃から意識して、描くモチーフや構図選びにストップをかけないようにしてきました。なのに、どうしてマチエールはだめなの?と自分がまた「こうなりたい」に縛られていることに気づきました。「こうなりたい」という理想は、時に「こうしたい」という自分の素直な欲求と違う時があって、そういう場合に「こうしたい」というのを簡単に切り捨ててはいけないなあと気づきました。
私の理想に触れている10月6日の記事

今回描いた最新の小品11枚にはコラージュやマチエール表現を少しづつですが取り入れています。
全面ではなく、これまで通りの紙に描画した絵の中に、メディウム(絵の具に混入する絵の具を立体的に盛り上げたり、色々なマチエールを作れる材料)やコラージュで分割した表情の違う面を作っています。
私の絵はもともと平面分割的な表現で、風景などのモチーフも透視図法をめちゃくちゃにして透視図法的な奥行きや厚みを出さずに構成を楽しむ絵ですが(色や配置で奥行きを出す時もあります)、マチエールを利用することで平面性が強化されました。え、何を今更?言葉にすればそんなの当たり前じゃない?という感じですね!!何で今までマチエールを拒否していたの?と思います。
マチエールを拒否していた理由は10月6日の記事のことに加え、私は「絵」という2次元の世界の「映像」を追求したいから、そこに「物質性」が介入してきた途端に現実に引き戻され、それはイメージではなく、「物」になってしまう、から駄目と考えていました。同じ意味で、キャンバスは厚みがあって立体的な形をしているから、まず厚みの方に目がいって物質性が強くてやだ、と。だから、キャンバスの側面に絵を描くのも嫌でした。変な3次元になるから。しかし、私の絵は写実描写ではないので、直接映像を描写しているわけでもないし、間接的に映像を心に映し出す装置みたいなものを描いているんだから、本当は関係なかったんですよね。
そういった私のこだわりや悩みというのは、本当はとってもとっても小さくてどうでもいいことで、こんなつまらないことにこだわっているのは、そもそも絵の存在感が物質性に負けてしまう程度の弱さだからなんだ、「自分の思いつくこと全部ぶつけて作ろう」という覚悟が足りないからだ!!と気づきました。
そう思った途端、まったくキャンバスの厚みも、マチエールも怖くない、コントロールできる代物だと強い気持ちになりました。画材もなんとなくタブローにはさりげなくしか使っていなかった、色鉛筆やオイルパステル、買ったきり色が合わないとしまいこんでいたアクリル絵の具(私が日ごろ使っているのはアクリルガッシュです)なども、自由に取り入れてこれまで「色」でしか分割できなかった画面に「質感の差」が加わって描くのがぐっと楽しく、楽になりました。以前の真面目優等生の私なら、「楽になる」なんてだめじゃない?と考えてやめていたかもしれませんが、楽になることで絵の持つ空気の「硬さ」「重さ」が軽減できました。変化や差をつけるため何度も塗りなおしたりして躍起になっている様子、分割の境目を綺麗にしなくちゃとまじめに綺麗に仕上げをしている作業工程が減ったからです。
まだまだ小品で始めたばかりのことで、これを大きい画面に展開していくと、違った困難があるかもしれませんが、とりあえずまたひとつ自分が鍵をしていた扉を開けたのでこれからが楽しみです。
そして、ビーズを絵に貼っている時に、「あれ、これモザイクと似ている」という気もしました。実は、今年1年お休みしていたモザイクですが、モザイクと絵がもっとうまくつながるといいんだけどな、という悩みで少し立ち止まっています。何かヒントになりそうな…。
これは世間に公開していいるブログなのにまとまらない自分の考えの備忘録になっておりますが、、
最後までお付き合いいただきありがとうざいました!


posted by marie at 11:00| Comment(0) | 絵のこと

2015年10月22日

ホームページに作品を追加!

今後のことも考えて、画像の無断コピーの対策などをどうしたものか、などということにモヤモヤして、しばらくホームページの作品を更新していませんでしたが、とりあえず画像解像度を低くすれば大丈夫かな、ということで、久しぶりに更新しました。
今年の5月、6月、9月の展覧会に出したものの中から掲載しました。
ホームページの「作品」の「水の街の暮らし」から是非ご覧ください。



posted by marie at 22:16| Comment(0) | 絵のこと

2015年10月06日

軽さと抵抗感と画材のこと

最近は、色々なSNSを通して、他の作家さんの作品を日々気軽にたくさん見られます。
私はイラストレーターの方々のハイセンスで軽妙な絵が好きで、インスタグラムなどで毎日たくさん流れてくるのを見ているのですが、それで悩みも多くなったりしています。で、あれこれモヤモヤしつつ、「お洒落で軽妙な絵を描ける人は既にたくさんいるのだから、私がこうゆう絵を描こうとしちゃだめでしょ。」と自分を励ましております。

ただ、どうしてこういった「軽さ」に固執しているかというと、それは自分の絵の「重さ」にまだまだ改善するところがあると思っているからです。
2010年ごろから2013年頃までの私の絵は、まずモチーフが現実に目の前にあり、それを私のルールで分解して選択して、感覚的に面白く再構築する、という作り方でした。モチーフは特徴があって平面にしやすい構造物を選んで、形をよりシンプルに「マイナス」していって、マイナスの限界まで達したら、自分の遊びをプラスしていくので、モチーフがあっても抽象寄りの絵で、軽さも備えた絵でした。
この頃はやることがシンプルだったので、モチーフが決まっていれば1日に2枚くらい描くこともできました。
それが、2014年頃から、1枚に数日かかるようになりました。
実際にはないものや、風景を心の中で生成して、それを吐き出すようにしてモチーフを用意する絵が増えてきたからです。いわばそれは何もないところに粘土で形を造形していくようなプラスの作業です。
そうした中で、イメージの生成→再現 で終わってしまった絵は、説明的だったり以前よりも重い感じになってしまいました。「没」の作品が増えました。イメージの生成→再現の後に、→分解→再構築 という「マイナス」のプロセスが重要だったのです。
しかし、自分の中で生成した非現実的ながらも映像的なイメージを、自分以外の人にも共有できるように守りつつ、分解して再構築するのはなかなか難しいのでした。そして、こんな風に私が「苦労」しているのが画面に出てもまた重たくなってしまうわけです。

そのような「軽さ」の課題に加えて、「抵抗感」の課題も私がいつも考えていることです。
私のイメージする抵抗感は、絵の具を厚塗りするとか、マチエールの特徴的な絵の具を使うような物質的な方法では作れないと思います。
昔、クリムトやマティスの油絵を見たときに、その絵の具の層のあまりの薄さに驚きました。
近くで見ると、鉛筆の線が透けていたりして、ちょっと雑に見えるくらいでした。
その絵は、絵の具をどれだけ使ったかとか、どのような特別な絵の具を使ったかとか、どれだけ手間隙をかけたとか、どんなすごい技法を使っているとかいう価値観とは一切関係のないところで、その絵のモチーフと構図と色彩だけに価値がありました。それは紛れも無い抵抗感(存在感)を持ちつつ軽快で爽快な素晴らしい作品でした。つまり、私がイメージする抵抗感というのはモチーフと構図と色彩という基本的なこと、絵そのものの構成によって生まれるのでした。これは永遠の課題かと思います。

そういう意味でも私がこれまで画材のジャンルではチープな位置づけで、かつマチエールの殆ど強調されなアクリルガッシュを使って描いてきたことには、描き易い、という以上の趣旨が反映されていました。
しかしながら、私の絵が複雑に成長しようとしている今、マイナス作業ができないターナーアクリルガッシュとミューズマットサンダース(紙)の愛着ある組み合わせを手狭に感じるようになってきました。
マイナス作業というのは、油絵でいうと、一度描いた部分を、気に入らなかった場合にナイフや布で絵の具ごとごっそりと取れる作業です。透明水彩でも、一度描いた部分を、後から筆やスポンジで水をこすらせて拭き取り、ベースの紙の「0」を出すことができます。しかし、速乾性のアクリルガッシュは、一度描いた部分を修正するには、上から描き重ねるプラス作業しかできません。「0」にしたかったものを仕方なく「+」にしなくてはいけないのは、大変都合が悪く気持ち悪いので、極力避けようとします。そのため、どうしても筆が慎重になり、描きすすめる勢いが抑制されてしまいます。それも、「重さ」の一因ではないかと思えてきました。それに、マイナス作業は、マイナス作業によってできるにじみやボカシなど表現の幅が広がります。

そういうわけで、「軽さ」と「抵抗感」という一見相反するうような二つの追及のうえで、構図や色彩のことはもちろんですが、画材と支持体の模索もやっぱり必要だと思っています。
自分が、画材や支持体にとてもナーバスで、合わない物に触れていると一気に制作意欲(生きる気力?)が低下してしまったりする厄介な性質もあるので、焦らず気長にやろうと思います。
そのあたり(特に油絵の具の拒絶反応)はこちらでも詳しく書いています
「ガッシュと私、油絵の具の長い話」

最初でも触れましたが、私の絵が、2011年ごろの風景をベースにしつつも抽象的な要素の強いスタイルから、だんだんと情緒的で具象的、そして夢想的な風景を描くようなスタイルにじわじわと変化してきています。13歳でバルビゾン派(フランスの田舎の風景画を描く人々)の展覧会をきっかけに油絵をはじめ、14歳でシャガールに傾倒して、15歳の時にニューヨークでクレーを観て絵描きになろうと決意して、、という始まりを思い出せば、自然な流れなのかもしれません。ついでに私にはそこに猪熊弦一郎やサムフランシスのような抽象画に開眼した高校時代や辰野登恵子風の抽象画を経由した大学時代があり、水戸という水と森の街で育ったルーツにさくらももこの装飾画やナウシカを愛しんだ幼少体験が加わっております。
これからも、ずっとずっと、私という人間と一緒に絵は変化していくことでしょう。
どのような作品に辿り着くのかは、最後の最後、私の絶筆までは分かりません。
どうぞ気長にお付き合いください。





posted by marie at 22:58| Comment(0) | 絵のこと

2015年06月11日

≪CD絵本≫東村山の「トロル」で取り扱い開始!

初めての、CD絵本の飛び込み営業。
そして「もりのしょうたいじょう」の東京都内のお取り扱い本屋さん第一号になっていただきました!
東村山駅前にある、絵本や保育、福祉の書籍をはじめ、玩具なども販売するとっても素敵なお店
≪トロル≫さんです!
ホームページ→http://troll-ren.net/publics/index/24/

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気さくな店長さんに第一号の記念撮影をさせていただきました。
ありがとうございます!

トロルさんには、私が子どもの頃に好きだった「だるまちゃんとてんぐちゃん」のような30年前のヒット作から、最新刊まで、本棚にぎっしりと絵本が並んでいます。
店頭よりもバックヤードの方が広い感じで、そちらには保育や福祉の専門書があるようです。

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また、どこか温かい、懐かしい玩具や民族楽器まであり、夢のつまったお店で、以前からファンでした。
先日はお店の一角で陶器のブサカワイイ動物人形の展示を開催されていて、すかさずゲットしました。
お客の立場ではなく、営業に行くのはちょっと緊張しましたが、温かく受け入れてくださって、本当に良かったです。

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トロルさんは、保育士さん達の講習会などのイベントにも出張して本を販売する活動もされているそうです。
この素敵なトロルカーが道路に出て行くところを、私も一度だけ見た事があります。
こんな車がやって来てくれるだけでわくわくしますね!

西武新宿線沿線の絵本専門店をお探しでしたら、是非トロルさんにいらして下さいませ!
ちなみに今月、東村山は現在北山公園の菖蒲祭りでも賑わっています。
遊びに来るには絶好のチャンスでーす!
posted by marie at 22:09| Comment(0) | 絵のこと

2015年02月09日

【5days art challenge 3日目】

<5days art challenge 3日目>※の記事を掲載します。
上野動物園のポスター制作をきっかけによく描くようになった動物のシリーズを掲載しました。

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「動物園の王様」
作・小林真理江
大きな体で堂々とした佇まいのハシビロコウです。その風格と人気から、このようなタイトルにしました。

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「夜の森」
作:小林真理江
私の好きなワオキツネザルです。これまで、動かないモチーフを描いていたのですが、ワオキツネザルの身軽な感じを表現したいと思い、珍しく動きのある構図に挑戦しました。

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「春のうさぎ」
作:小林真理江
友人からの特注でペットのうさぎさんを描いた作品です。何と言ってもふわふわの毛がかわいい子だったので、柔らかさを表現しつつどのように省略して描くか試行錯誤しました。

ノミネートのペインターは青木幸代さんです。
基本的に若い女性を写実的に描いている絵は興味がないのですが、
青木さんの作品は世界観も独特で、迫力があってすごいです!
青山幸代さんのサイト→http://sachiyo-aoyama.com/

初めて観た作家の絵というのは、それが今まで出会ったことのない表現だったりすれば余計、面白さが分からないものです。特に日頃から絵に触れていない人には、面白さ、良さの判断をする比較対象のデータが少ないので、その絵がいいのかどうか、好きかどうかもわからないものです。何でもそうだと思いますが。
しかし、「読書百遍意おのずから通ず」というわけで、何度も見ていれば、私の絵もだんだん見慣れてきて、面白味を感じる人も増えるんじゃないかな?と考えて、SNSなどで積極的に作品を掲載してきました。

それから、シェアや「いいね」で流れてきた画像を、私と知り合いでない人がたまたまチラッと「見かける」だけでも意味があると思います。
美術に詳しくない人でもピカソやゴッホの作品の映像は世に溢れているので一度や二度は目にしたことはがあるでしょう。もしたまたま行った展覧会でゴッホの作品と全く知らない作家の作品が並んでいれば、「あ、なんかこれ見覚えある」と知っている感じがする方に興味を持つのが自然だと思います。興味を持ったほうが「この作家なんだっけ」とじっくり見てもらえたり、覚えてもらえたりするはずです。
そして、今回のSNSの展覧会【5days art challenge】がいいなと思ったところは、比較対象ができたことです。普通の、美術に関わりのない生活の人は、SNSでつながっている絵描きが私一人だけだったりします。
そうすると、私の絵がいいのかどうか、自分が好きかどうかの判断は難しいと思います。そこで、今回のイベントを通じて、色々な面白い作家さんの絵を見て、あ、こうゆう絵のほうが好きだなとか、こうやってみると小林さんの絵って●●なんだな、とか、場合によってはマイナス評価になることもあるかもしれませんが、プラス評価になることもあるでしょう。そんなわけで、私はこのチェーンメール的なイベントにのっかりました。

しばらくはこのムーブメントが続いて、タイムラインが色々な作家の作品だらけになると思います。
最後はどんな風に収束していくのかも面白いので見守りたいと思います。

※【5days art challenge】は
『5日間、三枚ずつ作品画像をアップする』
『1日に一人、おすすめのペインターをノミネートする』
というFACE BOOK上でタグ付けしたり、シェアしてそれぞれの知り合いを起点に沢山の人に作品を観てもらうリレーです。
posted by marie at 14:17| Comment(0) | 絵のこと

2015年02月05日

【5days art challenge】2日目

<5days art challenge 2日目>の記事を掲載します。

特に好きなモチーフ、遊園地シリーズからの「観覧車」「メリーゴーランド」「クレープ屋さん」を掲載しました。

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「春と緑と遊園地」
メリーゴーランドに乗る楽しそうな子どもが手を振る瞬間を想像して、忘れられない愛おしい「今」、ということについて考えて描いた絵です。

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「小さな世界を見渡して」
海にせり出した観覧車のイメージ。大きな観覧車がゆったりと動いているのをずっと観ていると、スケールの観念が変わります。

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「クレープ屋さんになれたら」
幼い頃に見ていたアニメの主人公の家がクレープ屋さんだったので、クレープ屋さんは当時の憧れでした。今でも見かけると、甘いもの好きな私はつい気になってしまうのですが、同時に、子どもの頃のときめきを思い出すモチーフでもあります。

ノミネートのペインターは茨城を拠点に活動している大塚麻美ちゃんです!今はまだなかなか東京で観られないので、それもレアな作家さん。和紙を生かした質感の素晴らしさは画像では伝わりきらないかも。
仲良しの友達の彼女で、一緒に遊んでたら絵も、人も大好きになってしまいました。
二人が結婚した時は嬉しかったなー!

【5days art challenge】
『5日間、三枚ずつ作品画像をアップする』
『1日に一人、おすすめのペインターをノミネートする』
基本的にはFACE BOOK上でタグ付けしたり、シェアしてそれぞれの知り合いを起点に沢山の人に作品を観てもらう企画のようです。最初はチェーンメールみたいで懐疑的でしたが、やってみると、懐かしい友達とも繋がったりして、新しい広がりがある面白い企画だなーという感じです。
しかもどんどん私の知り合いに好きな絵描きを紹介したい気持ちが強くなるので、自分の投稿よりも、ノミネートする人選のほうが真剣になってしまったりします(笑)




posted by marie at 12:49| Comment(0) | 絵のこと

2015年02月03日

【5days art challenge】1日目

多摩美の友人の君ちゃんから、【5days art challenge】というアーティストのリレーのバトンが回ってきました。
基本的にはFACE BOOK上でタグ付けしたり、シェアしてそれぞれの知り合いを起点に沢山の人に作品を観てもらおう、という企画だと思います。
【5days art challenge】
『5日間、三枚ずつ作品画像をアップする』
『1日に一人、おすすめのペインターをノミネートする』ということです。

ブログにも同じ内容を掲載しておきます。

<5days art challenge 1日目>
私の作品といえば!という「橋」「船」「タワー」の絵をアップしました。

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「記念日」
何かのお祝いの日に楽しく食事している人達を想像しながら描きました。私の父母が夫婦の還暦祝いにディナークルーズに行ったのをきっかけに描きたかくなった絵です。

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「スカイハイウェイを行く」
作:小林真理江
海にかかる大きな橋のイメージです。夏!です。

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「街を見つめて」
作:小林真理江
タワーを見ていると、タワーも私達を見ていてくれるような気がしてきます。嬉しいとき、悲しいとき、沢山の人が色々な気持ちでタワーを見上げて、それをみんな見ていてくれるんじゃないかなぁ、という気持ちで描きました。

そして、今日紹介するオススメアーティストは、KiiMan(キーマン)です!
こんなの見たことない!発想から技法までオリジナルのすごくかっこいい作品です。
以後お見知りおきを。
Kiimanのページ→https://www.facebook.com/kiiman.watari


posted by marie at 19:17| Comment(0) | 絵のこと

2014年10月21日

新作をUPしました

ホームページの作品画像を更新しました。
個展のタイトルと同じ「お喋りと水の音」の絵のシリーズ。「星屑の街のモザイク」というタイトルで、昨年からの立体モザイクの作品のシリーズを掲載しています。
今回から、画像に「個人蔵」と「作家蔵」という情報もつけることにしました。「個人蔵」というのは販売済みで手元にない作品で、「作家蔵」というものは私か、私のお世話になっているギャラリーなどで売れるまで保管中という作品です。「作家蔵」の作品は購入できますので、お気軽にお問い合わせください。

作品のページ→http://kobayashimarie.sakura.ne.jp/gallery/index.html

どうぞよろしくお願いいたします!
posted by marie at 15:37| Comment(0) | 絵のこと

2014年09月16日

新作準備中

こんな小さなモザイクも製作中。顔だけできたところです。

DSC_0289.JPG

さて何になるでしょうか。お楽しみに!

posted by marie at 00:58| Comment(0) | 絵のこと

2014年08月05日

額縁検討中

かえりやまさんに展示する作品の額縁を、自分の持っているものを色々広げて検討中。
部屋が狭くて足の踏み場がないです。

DSC_0158.JPG
posted by marie at 17:49| Comment(0) | 絵のこと

2014年04月09日

産院に作品を納品しました!

千葉県の君津市に新設された産院に、作品を飾っていただきました!
ドムスデザインさんによる、女性目線の設計とインテリアの施された素敵な産院です。
「Vol.18 産院内の各所へ、心理学を基に施すホスピタルアート。」の記事の中にも私の作品がちょっとだけ登場しています。↓
http://www.domus-medical.com/500/50011/

ドムスデザインさんの仕事は本当に興味深いので、インターンで勉強させてもらいたいくらいです(笑)
最近自分の用事で病院に行くと、ここの壁の色を変えたらもっと明るくなるのになーとか、ここにこんな作品を置いたら印象が変わるのに、と勝手に妄想しています。

posted by marie at 17:01| Comment(0) | 絵のこと

2014年02月20日

作品をアップしました!

ホームページの作品のところに、先日の個展で展示した新しいシリーズをアップしました。
いつもシリーズ名には悩むのですが、最近よく描いていたイメージは森や庭なので、「木漏れ日の森」にしました。是非のぞいてみてください!
作品のページ→http://kobayashimarie.sakura.ne.jp/gallery/index.html

今日は先日雪かきをしたお礼にと、隣のおばあちゃんに、いよかん3個、羊羹袋詰めセット、おせんべの詰め合わせ、オリーブオイル2本ももらってしましました!うちのついでにちょこっとやっただけなのに、ちょっと申し訳ないなあ。でもお隣のおばあちゃんが、何をあげようかしら、と私達夫婦のことを考えながら品物を選んでくれたんだと想像するととっても嬉しいです。

posted by marie at 22:58| Comment(0) | 絵のこと

2013年12月21日

絵のこと

今しか選べない色がある。
1年後には描けない形がある。
上手くなんかなりたくない。
完璧に描くことなんか興味ない。
早く描きとめなくちゃ。消えてしまう、汚れてしまう前に。
今、描かなくちゃ。
もう30歳になってしまった。
でも走れば走るほど遠くへ行ける気がする。まだ大丈夫。
走れば走るほど近づいている気がする。
大事なものに。
私の知っている脳みその、私の知らない裏側へ。
posted by marie at 01:00| Comment(0) | 絵のこと